「李炯麒が芸能人を脅迫した」という誤情報がインターネット上に拡散された事件について

Twitterでのなりすましアカウント事件を発端とした、誤情報拡散とその対処について。

2-II、いわゆる「アンテナサイト」「まとめサイト紹介サイト」について

【前の記事:I、名誉毀損誤情報拡散の状況について】

 

(なりすましアカウントによる芸能人脅迫事件後のネット上での名誉毀損誤情報拡散について その2)

 

大手まとめサイトに取り上げられることによって大量に生み出されてしまった

 

「まとめサイトの記事ページへのリンクとスレッドタイトルと、レス1の内容が転載したウェブページ」

 

ですが、基本的にはそれらのサイトには

  • お問い合わせ先
  • 削除依頼受付先
  • 管理人のメールアドレス

等の「ウェブサイト管理者への連絡方法」が準備されているのですが、中には

  • 連絡先の記載がない
  • 連絡フォームが設けられていない
  • 連絡先メールアドレスや連絡フォームが機能しておらず、問い合わせても反応がない

というサイトも多く含まれていました。

 

連絡方法がきちんと設けられているサイトに対しては、直ちに事情説明と削除依頼を行いました。

その中にはすぐに削除に応じてくれたサイト管理者もいらっしゃいました。

 

ただ、2ちゃんねるまとめサイトのように、日々「アクセスを稼ぐ事ができそうなスレッドを選ぶ」という作業を繰り返している訳でもなく、2ちゃんねるのログサイトのように「問題のあるスレッドのデータも自動で取得して表示してしまう危険性を常に意識しなければいけない」という事も無いと思われるこれらサイト群は、自動で運営されている場合も多いようで、「実質的には管理人不在の状態」「管理を放棄しているような状態」にあるものも多く、削除依頼に応じてもらえない事が多かったです。

 

「連絡先を記載していない、連絡方法を設けていないサイトに対しては、もうお手上げかと思い、諦めかけていたのですが、今回の被害の一部始終を見て知っていてくれて、心配してくれていたフォロワーの方達や、協力者の方達に

whois」「aguse

というサイトの存在を教えていただきました。

それらのサイトを利用する事で、

 

・サイトのドメイン管理者の連絡先等の情報(ドメイン管理者の連絡先、ドメイン管理会社の連絡先などの情報)

・サイトが使用しているサーバーの情報

 

等を知ることが出来るようになりました。

 

これによって、連絡方法を設置、記載していないサイト、または削除依頼に何の反応も示さないサイトに対しても

 

・ドメイン管理者の連絡先がわかる場合には直接メールでの事情説明及び削除依頼を送る。

・ドメイン管理会社、サーバー管理会社のみ判明している場合には、その管理会社のウェブページの「お問い合わせページ」からドメイン、サーバー管理会社に事情説明及び削除依頼を送信、それをドメイン、サーバー使用者であるサイト管理人に転送してもらう。

・ブログサービスを利用しているサイトに対しては、ブログサービスの運営会社への 報告と事情説明、削除依頼を送る。

 

という方法をとることが出来るようになり、そのうちのいくつかのサイトには、削除依頼に応じていただく事ができました。

 

それでも削除依頼に応じない

  • ドメイン、サーバー管理会社からの連絡受付先メールアドレスが機能していない
  • 実質管理人不在状態である

と思われるサイト群に対しては、サーバー管理会社とのやりとりの中で知った、プロバイダ責任制限法という法律に則った形での、サイト運営者への削除要請をする事にしました。

 これは、インターネット上に、誰かの権利を侵害する情報が公開された際、プロバイダ等の事業者の責任を制限する為に作られた法律プロバイダ責任制限法のガイドラインに則った形で侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書を作成し、プロバイダ等の特定の事業者に送付する事によって、その文書の内容をプロバイダ等の事業者を通じて、当該サイト管理者へと通達する事ができるというものです。

そして、プロバイダ等の事業者からの通達から、7日以内に自主的に削除がなされず、且つ「自主的削除を行わない理由」を事業者に対して通達しない場合、プロバイダ等の事業者の手によって依頼されたページの侵害情報は削除される事になっています。 ※図による解説ページ

 

私はこの「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」

に対して送付しました。

その結果、サイト管理者によって自主的に侵害情報発信ページが削除されたり、サーバー管理会社の手によって侵害情報発信ページが削除されたりして、ほとんどの名誉毀損誤情報拡散ページが無事に削除されました。

 

対応の形や早さは、各事業者ごとにまちまちで、何らかの形で対処が行われたり、書類送付に対する返答があるまで何週間もかかる事もありました。

「もしかすると一生削除される事がないのかもしれない」という不安感に長期間苦しめられる事になりましたが、「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」の対象となったサイトのほとんどは無事に削除されました。

 

(実は、この方法ではうまく行かなかったサイトもいくつかありましたが、それはまた別の機会に書きます。)

 

 

これらの方法で、名誉毀損誤情報の大元である2ちゃんねるのスレッドと、とある2ちゃんねるのログサイト以外の名誉毀損誤情報拡散ページについては、インターネット上から消し去ることが出来ました。

 

(※2013/9/2追記 2013年9月1日に、ネット上に最後に残った誤情報拡散ページが削除され、ネット上からは上記の情報は完全に削除されました。ありがとうございました!)

 

【続きの記事:III、「2ちゃんねる」のレスの削除について】