「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼の方法について (「プロバイダ責任制限法」を活用した削除依頼 )
ここではいわゆる、
「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼の方法について、私が行った方法(「プロバイダ責任制限法」を活用した方法)を中心に書いていきたいと思います。
「2chまとめアンテナサイトってなに?」という方もいると思いますので、「2chまとめアンテナサイト」がどういうものなのか、という事についても書きます。
目次
1 「2chまとめアンテナサイト」とはどういったものか
2 「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼がなぜ難しいか
3 「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼の方法について
4 「プロバイダ責任制限法」援用による削除依頼手続きについて
5 これらの方法でも解決しなかった場合
1 「2chまとめアンテナサイト」とはどういったものか
ネット上にはたくさんの「2chまとめサイト」が存在します。
各2chまとめサイトが、日々2ちゃんねるの膨大なスレッドの中から、アクセスを集められそうなスレッドを選び出し、スレッド内の書き込みを抽出し、自分のサイトの記事を作り出します。
ですので、2chまとめサイト達の新着記事も一日で膨大な数になります。
「2chまとめアンテナサイト」は、そのものすごい量の「2chまとめサイトの最新記事」のタイトルと人気度などをわかりやすく表示し、その記事へのリンクを貼る、サイトによってはリンク先記事の一部も表示する、というサイトです。
わかりやすくいうと
「今日はこの2chまとめサイトで、こういう記事が更新されましたよ。2chまとめサイトのなかで人気の記事はこれですよ。」
と紹介する役目をしている「案内所」的なサイトと考えてもらえれば良いと思います。
※2chまとめアンテナサイトの例
私が巻き込まれてしまった件(当ブログ「2、ネット上での名誉毀損誤情報拡散について」)では、この「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼がかなり難航しました。
2 「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼がなぜ難しいか
当ブログ【いわゆる「2ちゃんねるまとめサイト」への削除依頼の方法について。】でも解説したとおり記事の掲載元である「2chまとめサイト」は比較的しっかり管理され運営されている場合が多いようで、早い段階で管理者さん達に削除に応じていただけました。
ただ、この「2chまとめアンテナサイト」は前述の
「各サイトの記事情報を収集、表示するシステムさえ完成させてしまえば、後は勝手に動き続ける」
という性質から、
1、管理者が頻繁に問い合わせ内容に目を通していない。
2、作ったままほったらかしにされている。
3、問い合わせ先メールアドレスが存在しない。
4、問い合わせ方法が記載されていない。
5、実質管理者不在。
というような状態になっていると思われるサイトも多く、これらのサイト群に対する名誉毀損誤情報の削除に向けた働きかけは、私のケースでは、大変難しいものとなりました。
この「2chまとめアンテナサイト」ですが、一見すると
「スレッドのタイトルと、元のまとめサイトへのリンクだけなので、元の記事の削除依頼さえうまく行けば、なんの問題もないのではないか」
という気がするのですが、
実は2chまとめアンテナサイトには、スレッドのタイトルとその記事へのリンク以外だけでなく
「スレッドタイトルと1番のレス(サイトによってはその他のレスも)が転載されたページ」
というものを生成し表示しているところが、多く存在するのです。
今回の件でも「アルファルファモザイク」の当該記事へのリンクを生成してしまった「まとめちゃんねる」さんを例に解説させていただきます。
・サイトに表示されている2chまとめサイト記事へのリンクの右側の「MORE」のボタンをクリックすると・・・
・リンク先の記事のタイトルと概要、1のレスが転載されたページが現れます。
私が巻き込まれた件では
「元となる2ちゃんねるのスレッドの冒頭の1番のレスに、私の実名と名誉毀損誤情報が書き込まれてしまっている。」
という形であったため、たくさん2chまとめアンテナサイトに、スレッドタイトルと共に1のレスを転載したページ(※以下「詳細ページ」と呼びます。)を生成されてしまいました。
この生成された「詳細ページ」はリンク先の2chまとめサイトが削除されても、連動して削除されることは無いようで、当ブログ【いわゆる「2ちゃんねるまとめサイト」への削除依頼の方法について。】で書いた方法で元の記事が削除された後にも、ネット上に存在し続けました。
また、「2chまとめアンテナサイト」というのは、各2chまとめサイトの記事情報を収集、表示するシステムさえ完成させてしまえば、後は勝手に動き続けるという性質を持っているようで、おそらく制作も容易で、運営についてもほとんど自動化されているものと思われます。
そういった理由から「実質的な管理者が不在のまま、ただひたすらに2chまとめサイトの記事を収集しページを生成し続けるサイト」というものも多く存在し、そういったサイト群にも「詳細ページ」を生成されてしまいました。
記事の1のレスには私の実名と、「芸能人を脅迫した」という内容が書かれているため、私の実名で検索をかけると「名誉毀損情報が転載された詳細ページ」がヒットしまくる、という状況が生まれてしまいました。
3 「2chまとめアンテナサイト」への削除依頼の方法について
まず、わたしが一番初めに行ったのは、このブログの【いわゆる「2ちゃんねるまとめサイト」への削除依頼の方法について。】で書いた
「ウェブサイト内の情報の中から、サイト管理者への連絡方法、連絡先を探し、そこに削除依頼を出す」
という方法です。
この方法はもっとも簡単で手軽な方法だと思いますので、もし同じような状況に陥ってしまった場合には試してみると良いと思います。
しっかりと管理されているサイトであれば、この方法で削除に応じてくれるかもしれません。
それでも削除されない場合には
「対象のサイトが利用している、サーバーの管理会社に対して報告、報告内容を対象のサイトの管理者へ転送してもらう」
という方法があります。
対象のサイトが、どこの会社のサーバーを使用しているか、「aguse」「whois」等のサイトのサービスを利用する事で、自分で簡単に調べることが出来ます。
私は主に「aguse」を使って調べました。
実際に使ってみると「aguse」の方が一度に表示される情報量も多く、わかりやすいと感じると思います。
サイト情報の調べ方の例として、先に挙げた「まとめちゃんねる(http://matomech.com/)」の使用サーバーをaguseのサービスを使って調べてみましょう。
aguseの入力窓に、対象サイトのURLを貼りつけて「調べる」をクリックすると、こちらの調査結果ページが表示されると思います。
調査結果ページの
「正引きIPアドレス xxxxxxxxxx の管理者情報」の欄の「管理者連絡先」「技術連絡先」には、「株式会社UCOM」とあります。(2013年11月17日の時点での情報です)
ですので、この場合は「株式会社UCOM」の会社ウェブサイトの
という風に進んで、どういう事になってしまっているか、出来るだけ詳しく報告しましょう。
サーバー、ドメイン管理会社のウェブサイトには必ず違反申告や侵害情報の報告フォームが設けられている筈です。
会社ウェブサイト内を探してみましょう。
報告した情報は、サーバー、ドメイン管理会社からサイト管理者宛に転送されます。
会社によっては
「【プロバイダ責任制限法】にのっとった形で書類送付による報告であれば受け付ける」
という返事を送って来たり、
「報告内容を転送するための承諾をいただきたい」
という返事を送って来たりします。
その際には向こうの言うとおりにしましょう。
「プロバイダ責任制限法のっとった方法」についてはこの後説明します。
対象のサイトがブログサービスの機能を用いて運営されている場合には
サーバー、ドメイン管理会社ではなく、ブログサービスの提供元に報告するという方法もあります。
例:対象ウェブサイトがFC2ブログを使用している場合
【FC2ブログ】→【FC2】→【お問い合わせページ】→【法的機関専用 お問い合わせフォーム】→【不適切サイト報告・異議申し立てフォーム】
対象ウェブサイトがライブドアブログを使用している場合
【ライブドアブログ】→【LINE株式会社】→【お問い合わせ】→【livedoor ご意見・ご要望フォーム】
ブログサービスを利用しているサイトに対して、ブログサービス提供元に報告するというのはかなり効果があるようで、レスポンスも早かったです。
この方法は「直接削除依頼を出しても応じない、もしくは削除依頼の方法が設けられていない2chまとめサイト、2chログサイト」に対しても当然有効だと思います。
4 「プロバイダ責任制限法」援用による削除依頼手続きについて
ここまで書いた方法でも解決しない場合、侵害情報の削除がなされない場合には
「プロバイダ責任制限法」という法律にのっとった形で、サーバー管理会社、ドメイン管理会社に対して侵害情報の報告、侵害情報に送信防止措置依頼を行いましょう。
「プロバイダ責任制限法」についてはこちらの「プロバイダ責任制限法関連情報webサイト」をご覧ください。
私の場合は、最終的にこの方法でほとんど全てのサイトの侵害情報を削除することができました。
ですので、始めからこの方法でやってしまうという手もあるかもしれません。
流れとしては
1、プロバイダ責任制限法関連情報webサイトの送信防止措置手続関係書式の通りに書類を作成する。
2、侵害情報掲載サイトの使用サーバーを管理している事業者に対して書類等(事業者によって必要とするものの内容が異なります)を送付する。
という感じです。
まず必要なものは
・封筒
・印鑑(できれば印鑑登録済みのもの、場合によっては印鑑登録証が必要なため)
・身分証明証のコピー(対象ページ一つに対して2部程度)
・侵害情報掲載ページをプリントアウトした物(1ページにつき2部、侵害情報箇所にマーカーでラインを引きましょう)
・事情や経緯の説明文を書いた紙(これは必須ではありませんが念のため)
まずは対象サイトのドメイン情報、サーバー情報を調べます。「aguse」「whois」等のサイトのサービスを利用しましょう。
ドメイン取得代行、ドメイン管理事業者やサーバー管理事業者のウェブサイトにアクセスし、書類送付のための宛先、部署名などを調べましょう。
わからない場合は電話やメールで問い合わせれば教えてくれると思います。
書類送付の宛先、部署名を調べる際に「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」を送付する際に必要な物についてもチェックしておきましょう。
事業者ごとに必要な物が異なります。
必要な物が揃っていない場合、条件をそろえた上で再送という事になったりしますので、気をつけましょう。
「プロバイダ責任制限法関連情報webサイト」の「送信防止措置手続関係書式」の通りに書類を作成しましょう。
「名誉毀損・プライバシー関係書式(PDF)」の書式①の通りに書類を作成します。
私はwordでdocファイルを作成しました。書式さえ合っていれば作成方法はどういった方法でも良いと思います。
書式②、書式③は事業者、発信者用のものですので、必要ありません。
身分証明証のコピーを2部ずつ準備しましょう。
身分証明証ですので、運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード、外国人登録証などのコピーですね。どれか一つで構いません。
あと名誉毀損、侵害情報掲載ページをプリントアウトしたものを2部ずつ準備しましょう。
名誉毀損、侵害情報に該当する箇所に、わかりやすいようにマーカーなどで印をしておきましょう。
手続きの担当者の方がわかりやすいように、経緯がわかるような説明文と、どれくらい困っているかという事を伝えるための手紙なんかも添えると良いかもしれません。
これらを封筒に入れて、ドメイン取得代行、ドメイン管理事業者やサーバー管理事業者の担当部署宛に発送します。
先に「事業者ごとに必要な物が異なります。」と書きましたが、
私の経験上、ページ一つに対して
・「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」1部
・免許証などの身分証明証のコピー2部
・侵害情報掲載ページをプリントアウトした物2部
・事情や経緯の説明文を書いた手紙
を入れておけば何の問題もなく手続きが進むと思います。
身分証明証のコピーと掲載ページをプリントアウトしたものは基本的には1部で問題ないのかもしれませんが、いくつかの会社から
「手続きの行程の事情でプロバイダ用と意見照会用の2部必要。条件をそろえてもう一度送ってほしい。」
という事で、書類等一式を再送したという事がありました。
ですので始めから2部入れておきましょう。
会社によっては「掲載ページをプリントアウトしたもの」もいらないというところもありますが、これも同封したほうが単純にわかりやすいと思いますので、入れて置きましょう。
ただ、「KDDI株式会社」へ送付する場合はこのほかに「【発信者情報開示請求書】に押された実印に係る印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)」が必要になります。
KDDI株式会社以外にも、印鑑登録証明書が必要というケースがあるかもしれませんが、私のケースではKDDI株式会社のみでした。
印鑑登録と印鑑登録証明証の発行は、役所で簡単にできますので必要に応じて行ってください。
通信事業者あてに書類等一式を発送しても、対象サイトの問題とされている情報がすぐに削除されるわけではありません。
場合によっては1ヶ月近くかかる事もあったと思います。
書類等一式を発送して、削除されるまでの待ち時間というのは、非常に精神的にもきつい時間ですが、なんとかがんばりましょう。
私の場合は、この待ち時間が精神的に非常にきつく、かなり消耗しました。
無事に手続きが終了し、問題とされている情報が削除されてから、通信事業者から「手続き終了の通知」が届くまでにも結構な時間がかかったりするので、返答を待つより、対象サイトをブックマークに入れて、定期的にチェックするほうが良いと思います。
この方法で、「サイト管理者本人が、悪意を持って嫌がらせを行っている」という場合でなければ、無事に削除することが出来ると思います。
5 これらの方法でも解決しなかった場合
このエントリに書かれている方法では対処できないサイトももちろん存在します。
考えられるのは
・ドメイン、サーバー管理事業者情報がわからない
・サーバーが海外のものである
・対象サイトの管理者が「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」に対して反論をして、侵害情報の削除を拒んだ場合
などのケースですね。
それについてはまた後日、別の記事で書かせていただこうと思います。
(この記事は2013年11月17日に公開されました。)